31Mar
「介護業界における寿退社」という言葉を聞いたことがありますか。
一般社会での「寿退社」とは、女性が結婚を機に退社することです。
しかし、介護業界では、少しばかり事情が違います。
実は、結婚を機に退社するのは、女性ではなく男性の方なのです.
もう少し細かいことを申し上げますと、
国家資格の介護福祉士を取得した正社員でも年収は約300万円。
共働きで頑張っても、奥さんが妊娠したら数ヶ月は働けません。
その間、ご主人だけの収入で、生活することができるでしょうか。
また、介護職員には、残業、夜勤、休日出勤もあります。
夜勤では、看護師は患者7名に対し看護師1名の配置基準があります。
しかし、介護士には、そういった基準はありません。
一人で十数人など、決して珍しくありません。
介護の仕事は、寝たきりの高齢者の体位を変えたり移乗したりします。
さらに、トイレ介助や入浴介助など、体力的には、重労働と言えます。
介護職員は、男女を問わず、腰痛に悩んでいる方が多いです。
そんなキツイ仕事なのに、なぜ、介護の仕事をしているのか。
それは、「やりがい」です。
体の不自由なお年寄りや病気に苦しむ患者さんのお手伝いは尊い仕事です。
感謝されれば嬉しいし、もっと、喜んでもらいたいと思います。
日本はさらに高齢化が進み、介護を必要とする方も右肩上がりです。
にもかかわらず、若い介護士が安心して結婚出来ないのは悲しいことです。
国は、直ちに、介護職員の待遇、収入を大幅に改善するべきです。
また、ひとりでも多くの方に、「介護業務の特徴」を知って頂きたいと思います。
■記事提供元サイト:認知症介護と障がい者支援