31Aug
介護という仕事は大変です。
いろいろな技術が必要とされますが、まず第一に、コミュニケーション能力です。
ご利用者は高齢者ですから、こちらから挨拶できない方は、絶対に勤まりません。
介護職という以上、「食事介助」、「入浴介助」、「排泄(はいせつ)介助」の3つは基本です。
入浴する前、した後には、衣服の着脱介助も伴います。
排泄介助は、トイレ内での介助だけではありません。
安定した座位(ざい)のとれない方は、ベット上でオムツをします。
赤ちゃんのオムツ交換をイメージして頂ければ分かりやすいと思います。
最後に、食事の介助ですが、恐らくこれが一番リスクが高いのではないでしょうか。
嚥下(えんげ)機能が低下し、食べるたびに咳き込む方の食事を介助することは、なかなか難しいです。
箸やスプーンの運び方の他、食材を一口サイズに切ったり、トロミをつけたりと、誤嚥(ごえん)を防ぐためのコツを覚えなければなりません。
次に、デイサービスに勤務する介護職は、これらの他に、場を盛り上げる「宴会部長」の要素も必要です。
例えば、カラオケをやるとしましょう。
最初、ご利用者は、みな、「私はいいから」と、マイクを手に取ろうとしません。
職員も同じようにマイクを取らないと、誰も歌わない状況になりかねません。
それだけは避けなければなりません。
そこで、酒を飲まずシラフでも、マイクを手に取り、一曲、歌声を披露する度胸が必要です。
あまり上手すぎると、逆にシラケルこともあるので、ほどほどに。
ひとり歌うと、二人目が歌いだすことがあるので、表情から判断して、歌いそうな方にマイクを渡します。
歌に限りませんが、施設がシーンとして寂しいときに、場を盛り上げる「芸人魂」があると職員からも頼りにされます。
デイサービスでは、もうひとつ、車の運転ができるか否かは重要です。
ご利用者の送迎業務もこなせる職員のほうが、施設としては重宝されます。
次に、グループホームに勤務する介護職は、送迎業務がないので車の運転はできなくてもかまいません。
施設によっては、食事は、外注の弁当を提供したり、料理専門のスタッフに任せるところもあります。
しかし、介護職員が料理をする施設も少なくありません。
従って、美味しい料理を作ることができると、ご利用者からも一目置かれます。
このように、介護職と言っても、現実には、介護学校の授業では習わないスキルが必要とされるのです。
最後に私の結論です。
「もっと介護職員の給与水準を上げて欲しい」
■記事提供元サイト:認知症介護と障がい者支援