2Aug
豊かな文化を持ち、とても華やかなイメージのあるフランスの首都、パリ。パリ大好き!という女性は珍しくありません。
もしかしたら、あなたもこの夏休みに出かけるのではないでしょうか?
しかしパリはスリが多いことでも有名です。もちろんターゲットは観光客。
平和な日本から何も知らずに彼の地へ渡るのは、サメのうようよいる海の中に身一つで入っていくようなもの。
きょうはパリのスリの代表的な手口と、被害を最小限にくいとどめる方法をお伝えします。
【スリの手口】
パリのスリは青少年が多いです。というのも、未成年なら、仮に実行犯としてつかまっても、刑務所行きにならないからです。
このような少年少女はグループを作って行動します。東欧系の子どもたちが多いと言われていますが、人種はさまざまです。
この子たちの代表的な手口は「一人が気を逸らし、そのあいだにもう一人が盗む」というもの。
ケース1:あなたが「あ~エッフェル塔だ~きれいね~」とシャンゼリゼをぼーっと歩いていると、スラリとした金髪の女の子が、道を聞いてきたり(観光客に!)、何かを売りつけようとしたり、とにかく話しかけてきます。
「あ、フランス語、よくわからないけど、え、な、なに?」と、相手の言葉を聞き取ろうと必死になっているその間に、彼女の仲間があなたのバッグやポケットからサイフを盗みます。
ケース2:あなたが、ノートルダム寺院の前で「写真で見るよりずっと大きくてすご~い」と感動していると、急にそばで誰かがよろけて持っているジュースがあなたにかかります。
びっくりしていると、その人は「あ、ごめんなさい。今ふきますね」とティッシュかなんかを出してあなたの服を親切にふいてくれようとします。
そのあいだに彼女の仲間があなたのサイフを盗みます。
ジュースじゃなくて、いきなりアイスクリームがぼとっと落ちてくることもあります。
この気をそらすという手口は、たとえ知っていても、わりに簡単にひっかかってしまいます。
親切なあなたなら尚さらのこと。
では、どうすればいいのでしょうか?
【被害を最小限にするには】
・財布には必要最低限のものしか入れない。
たとえば、50ユーロぐらいまでの現金、クレジットカード1枚、身分証明書ひとつ、など。
・財布に入れてあるものすべての物のコピーをとっておく。裏も表もです。そうすれば、盗まれたときにしかるべきところに電話をかけて、カードの取引をすぐに停止できます。
・なるべくカジュアルな貧乏人に見える格好で出歩く。間違っても高そうなブランド物の服や、バッグ、アクセサリーを身につけないこと。
・ファスナーのついたバッグを使う。ショルダーでもハンドバッグでも、自分が確認できる場所(からだの前のほう)にかかえる。
・男性で、ズボンのポケットに財布を入れるなら、前のポケットに入れること。たまに後ろポケットに大きな財布を入れてる人がいますね。あれは「取って下さい」と言ってるようなものです。
・財布を衣類のポケットにじかに入れるのなら、輪ゴムを巻いておくとすられにくい。
これは、輪ゴムが布にすれて、財布がするっと抜けにくくなるからです。昔からあるスリ対策ですが、本当に抜きにくくなります(私はすったことはありませんよ)。
この輪ゴム巻は、たとえば、携帯電話などをポケットに入れるときもやってみると、落としにくくなります。同時に使いにくくもなりますが。
【もしスリにあってしまったら】
「この記事を読んで気をつけていたけど、スリにあってしまったよ~」
その時は、
・オ・ボラー ! (Au voleur !) どろぼ~! とか オ・スクー(Au secours !) たすけて~! と叫ぶ。
すると、もしそばに警官がいたら、つかまえてくれます。状況にもよりますが、自分で走って犯人をつかまえない方がいいです。
暴力的なスリが多いので、危険なせいもありますが、あなたが、犯人だと思った人はすでに財布を仲間に渡していて、持っていません。
物的証拠がない人をスリ呼ばわりすると(スリなんですが)、別のトラブルに巻き込まれます。
・警官がいなかったら、できるだけ早く、近くの警察署に行き、被害届けを出します。
きょうお伝えした手口のほかに、地下鉄内、最近増えてるATMの前、エレベーター内とスリの魔の手は至るところにあります。
スリが多いということだけは心にしっかりとどめ、楽しいバカンスを過ごしてくださいね。
■記事提供元サイト:フランス語の扉を開こう~ペンギンと