21Aug
「小規模多機能」と聞いて、即、その意味が分かる方は、そう多くないと思います。
実は、介護保険で認められている地域密着サービスのひとつです。
これでも、よく分からない方がほとんどだと思います。
簡単に説明しますと、介護保険のサービスは、居宅サービス、施設サービス、地域密着サービスの3種類に分けられます。
居宅サービとは、自宅など在宅で暮らしている状態で利用するサービスのことで、訪問サービス、通所サービス、短期入所サービスなど計12種類あります。
施設サービスとは、自宅など在宅での日常生活が困難な方が、介護保険施設に入所して利用するサービスで、特別養護老人ホームや介護老人保健施設などがあります。
最後に、地域密着サービスとは、住み慣れた地域で自立した生活を送るためのサービスです。
これには、認知症対応型デイサービス、グループホーム、小規模多機能型居宅介護など計6種類あります。
デイサービスは、通所介護施設と呼ばれ、基本は日帰りの施設です。
ショートステイは、短期入所サービスと呼ばれ、数日宿泊できる施設です。
最近は、デイサービスでも宿泊もできる施設も出てきました。
ところで、介護保険のサービスを受けるには要介護認定を受けることが必要です。
要介護認定を受けた後は、ケアマネージャーと相談して、ケアプランを作成します。
在宅での生活を続ける場合、デイサービスや訪問介護を組み合わせるのが一般的です。
同居してお世話をしている家族が数日、家を空ける場合、ショートステイを利用します。
数日間、要介護者のお世話をしてもらうためです。
ところが、このショートステイの予約がなかなか取れない。
正確には、「利用したいときに、満室で利用できない」ことがよくあります。
そこで、「小規模多機能」の登場です。
この「小規模多機能」という施設は、「通所」、「宿泊」、「訪問」の3つを組み合わせたサービスです。
通いも連泊も訪問もしてくれるのは、利用者とそのご家族にとってはありがたいことです。
ところが、あまり認知度は高くありません。
「小規模多機能」というネーミングが悪いという意見もありますが、果たして、それだけでしょうか。
実は、小規模多機能を利用すると、他の施設での通所や訪問といったサービスを受けることが出来ません。
つまり、現在のケアマネージャーは、ご利用者に小規模多機能施設を紹介すると、自分からご利用者を手離し、受け入れ先のケアマネージャにおまかせすることになります。
要するに、自分の顧客を手放すことになるため、現在のケアマネージャは、小規模多機能施設を紹介することに、あまり積極的ではないのです。
介護の現場で働く物として、ご利用者本位のサービス提供をを第一にするなら、この点は、将来的に改善していく必要があると思います。
■記事提供元サイト:認知症介護と障がい者支援