4Aug
パリの街中をワインカラーのランボルギーニ・ミウラが走る。それを静かに望遠鏡で眺める福山雅治。彼の手には、何やらおいしそうな食べ物が。
このマヨネーズのCM、ごらんになったことありますか?
福山雅治は
カリカリに焼いたバゲットの
タルティーヌを食べた。
と言って、マヨネーズをたっぷりぬった、ズッキーニとトマトとツナのタルティーヌを口にします。
しかし口元にマヨネーズはつきません。
とても雰囲気のあるCMですね。
きょうは、このタルティーヌについて書きますね。
私の若いころにはこんな食べ物はありませんでした。最近は、スターバックスなどで日本でも人気のメニューのようです。
実は、単なるオープンサンドですが、タルティーヌと言うと、すごくおしゃれな食べ物に聞こえます。
CMの舞台がパリであることからもわかるように、タルティーヌはもとはフランスの食べ物です。
フランスではごく日常的に食されていて、日本で言えばおにぎりに近い食べものと言えるかも?
フランス語で書くと «tartine»
プチ・ロベールというフランスの広辞苑のような辞書を見ると、1500年からある言葉です。すごく古いですね。
語源はtarte(お菓子のタルト)で、この単語は13世紀にはもうありました。
ちなみに、たまにタルティーヌの語源は「塗る」という意味の動詞 « tartiner» (タルティネ)と書いてあるものがありますが、この単語は «tartine»よりあとにできたもので、1839年が初出です。
日本語にすれば「タルティネする」といったニュアンスでしょうか。
タルティーヌは「フランスパンのスライスに何かをぬったもの」です。
特にジャムをぬったものが一般的で、フランスの子どもたちは朝食やおやつにこれを食べるのが大好き。
そうした甘いシンプルなタルティーヌのほかに、CMに出てきたお惣菜タイプと言うか、甘くないタルティーヌもあります。
こちらはランチやちょっとしたスナックや前菜に、また、ボリュームのある具をのせれば夕食にもできます。
英語圏で、タルティーヌというと、ちょっと贅沢な具をのせた洗練されたメニューです。
上にのせるものを変えれば素朴なものからファンシーなものまで対応できるタルティーヌは、シンプルであるがゆえにとても奥の深い食べ物なのです。
以下に、私がよく食べるタルティーヌを簡単にご紹介します。
【甘いタルティーヌ】
・フランスパンをスライスしてトーストし、その上に好みのジャムをぬるだけ。ジャムトーストとも言えます。
・マーガリン(またはクリームチーズ)とあんこをのせるのも好きです。
・はちみつも悪くないです。
【甘くないタルティーヌ】
・ツナメルト
フランスパンをスライスして、マーガリンやマヨネーズを適当にぬる。
その上にツナ、ピザ用のとろけるチーズをのせ、オーブントースターでチーズが溶けるまで焼く。
・ズッキーニ
輪切りにしたズッキーニをオリーブオイルで炒めておく。
フランスパンをスライスしてトーストした上に、そのズッキーニをのせる。
ズッキーニをのせるときは、何も塗らないことが多いですが、このへんはお好みで。
余談ですが、ズッキーニはたっぷりのオリーブオイルで炒め、おいしい塩で調味するととてもおいしく、いくらでも食べられます。
・アボカド
バゲットの上にリコッタチーズをぬり、その上に適当にスライスしたアボカドをのせる。
私は平気ですが、これだけだと味がないと感じる人もいらっしゃるかもしれません。余力があれば、リコッタチーズをお酢や塩コショウと練ってぬるといいでしょう。
リコッタチーズは味があんまりないクリームチーズみたいなチーズです。たまにしか買いませんが・・。
要は、食パンのオープンサンドの台がバゲットに変わったものがタルティーヌです。
彩りのいい具を使えば、おもてなしにも使えますね。
今までバゲットをオープンサンドにしたことがなかった方は一度試してください。具は本当に好みでなんでもいけます。ワインやビールのお供にもいいですね。
どんなトッピングがあうか、お子様と一緒に実験すると、夏休みの自由研究にもなりそうです。
■記事提供元サイト:フランス語の扉を開こう~ペンギンと